こんにちは、ブルームスキームCEOの中里です。
前回、Kimakuriがどのような問題を解決するかを書きました。
今回は、どのように解決するかを解説します。
人工知能が写真から3Dアバターを生成
Kimakuriは、正面から撮った顔写真1枚と、正面及び側面から撮った全身の写真2枚、合計3枚の写真をアップロードすると、人工知能を駆使して、ユーザーにそっくりなアバターを生成してくれます(※現在公開している体験版は、全身写真のアップロードには対応しておらず、自分で体型数値を入力をする必要がありますが、2019年春に写真から体型を推定する機能が実装される予定です)。

3Dスキャンされた服を3Dアバターに着せる
上記で作成した3Dアバターに服を着せることで、自分が物理的に試着したときに近しい体験を、瞬時に得ることができます。自分が物理的に試着をする場合、リアル店舗に出かけたり、オンラインショップから服が送られてくるのを待つ必要がありますが、バーチャル試着であればこのプロセスが1秒(※通信環境100Mbps時)で完了します。リアル店舗へ試着しに行って帰ってくる場合(仮に1.5時間とします)に比べ、5400倍、効率的に服を試着できるようになります。

服と人体の情報化
Kimakuriがなぜこのようなアプローチを取るかというと、「似合う服が見つけられない」問題の根本原因を、「服と人体の物理性」に求めているからです。
似合う服を見つけるには試着を繰り返す必要がありますが、服と人体が物理的な「モノ」である限り、服を人体のもとに移動させる(例:ECサイトが服を発送する)か、人体を服のもとに移動させる(例:人がアパレルショップに行く)必要があります。この物理的な移動には、大きな時間・金銭・労力的コストがかかるため、多くの人にとって、似合う服に出会うための十分な「試着機会」を得ることは困難です。
そこで我々は、「服と人体を情報化」し、物理的移動を不要とすることで問題を解決します。具体的には、大量の服と人体を簡単に3Dモデル化し、試着を3D空間上で完結させる技術を開発することで、「いつでもどこでも、1着1秒で試着できる」ようにします。何百着もの服を、数分のうちに、自宅で寝ながら試着することができれば、全ての人が自分に似合う服やスタイルを正確に把握し、ファッションに自信を持てる世界が実現されるものと考えています。
次回から、3D試着技術を用いて、どのようなサービスを実現するかを説明していきます。
Kimakuriが実現する世界 (1):1着1秒で試着し、似合う服にすぐ出会える
Kimakuriが実現する世界 (2):自分にそっくりな3Dアバターに瞬時に服を着せる(本記事)
Kimakuriが実現する世界 (3):世界中のスタイリストから、自分のアバターに服を着せた形で、毎日コーディネートの提案が届く
Kimakuriが実現する世界 (4):全てのECサイトにバーチャル試着ボタンを設置する
Kimakuriが実現する世界 (5):世界中のファッション雑誌・カタログにバーチャル試着QRコードを設置する(本記事)
Kimakuriが実現する世界 (6):誰もがファッションを楽しみ、自信を持ち、輝けるようにする(執筆中)