こんにちは、ブルームスキームCEOの中里です。
前回、Kimakuriがどのような技術で「似合う服が見つからない」問題(前々回を参照)を解決するか書きました。人工知能を用いて生成した自分そっくりのアバターに、3Dスキャンにより得られた服(の3Dモデル)を着せることで、服と人体の情報化を実現し、バーチャルな試着を可能とします(Kimakuri体験版)。
今回は、この技術を使ってどのように似合う服をすぐに見つけられるようにするか、ご説明します。
バーチャル試着ができるだけでは、似合う服はすぐに見つかりません。Kimakuriを最も必要としているユーザーは、どのような服が自分に似合うか分からない人たちですかが、そういう人達からすると、「で、どの服をバーチャル試着すれば良いの?」となってしまいます。
そこで、自分のアバターに服を着せた状態のコーデ提案が、自動で送られてくるようにします。そうすればユーザーは、似合う服を探索せずに、自分のアバターが様々な服を試着した状態を確認し、似合うか否かを視覚的に判断すれば良いだけになります。

問題は、どのようにコーデ自動提案を実現するかです。アバターの肌の色や体型から似合う服を自動判断するAI?技術的に難しそうです。好きな服のタイプをユーザーに事前入力させ、合致するコーデを提案?あまり精度が高くならない気がします。
今のところ、提案部分を完全機械化するとユーザー満足度を高くするのは難しそうであるため、Kimakuriでは人力を用います。具体的には、世界中のパーソナルスタイリスト(インフルエンサーや単なる友達も含む)から、メルマガのような形で、コーデの提案が届くという形を取ります。
パーソナルスタイリストの方々は現在、買物同行という形でサービスを提供されていますが、同行1回につき、準備も含めて半日~数日かかります。結果として、サービスを1回提供する度に数万円を請求しないとビジネスにならないのですが、ZARAで2万円分の服を買う際スタイリストに数万円払う人はとても少ないのではないでしょうか。そのため、顧客は富裕層(またはコンサートを控えたピアニスト等、業務向け)に限られ、市場が小さく抑えられています。
Kimakuriを通じたスタイリングサービスであれば、買物同行のような物理的拘束がないため、オペレーションを大幅に効率化できます。顧客単価を安くしてもビジネスとして成立し、市場の大幅な拡大が可能になると考えています。
次回 は、バーチャル試着をECサイトに適用したケースを説明します。
Kimakuriが実現する世界 (1):1着1秒で試着し、似合う服にすぐ出会える
Kimakuriが実現する世界 (2):自分にそっくりな3Dアバターに瞬時に服を着せる
Kimakuriが実現する世界 (3):世界中のスタイリストから、自分のアバターに服を着せた形で、毎日コーディネートの提案が届く(本記事)
Kimakuriが実現する世界 (4):全てのECサイトにバーチャル試着ボタンを設置する
Kimakuriが実現する世界 (5):世界中のファッション雑誌・カタログにバーチャル試着QRコードを設置する
Kimakuriが実現する世界 (6):誰もがファッションを楽しみ、自信を持ち、輝けるようにする(執筆中)